2014.09.26(金)
e-NT400(手前)とe-NV200
日産自動車の豊田です。
先日2014年9月17日~19日、東京ビッグサイトで学校・病院・高齢者向けの設備機器・サービス等が集まる展示会「フードシステムソリューション2014」が開催され、日産自動車はふたつの電気自動車を出展しました。
ひとつがこちら。
日産EV初のビジネスカー「e-NV200」
「e-NV200」は世界ですでに12万台以上を販売している日産リーフに続き日産がグローバルに販売する2車種目の量産型電気自動車です。
リチウムイオンバッテリーを車体中央の床下に配置し、低重心で優れたバランスを実現。人だけでなく荷物もやさしく運ぶことができます。
さらにランニングコストも同クラスの商用車をリードする優れたレベルを実現しています。
給食配送用に架装された「e-NV200」
もう一台がこちら。
現在市販化に向けて開発を進めている「e-NT400 ATLAS CONCEPT」
先進のデザイン性と機能性、運転のしやすさが魅力のアトラスF24に、日産リーフと同じコンポーネントを搭載することで信頼感と安定感のある走行性能を実現。
また通常のディーゼル車のエンジン音と比べて驚くほど静かなのが最大の魅力です。
振動が少ないのでドライバーの負担を軽減するだけでなく、荷崩れもしにくいため、デリケートな商品の運搬にも適しています。
さらにパワフルでスムースな発進も魅力のひとつ。ディーゼル車と比較してもその性能の良さが際立ちます。
「e-NT400」は2013年から宅配業者さまや自治体さまとともに公道での実証実験を開始し、実用化に向けて積極的に取り組んでいます。
これからEVは乗用車のみならず、トラックでも普及していくでしょう。
参考ニュースリリース
日産自動車と佐川急便、100%電気トラック「e-NT400テストトラック」の実証運行を実施
なぜ、「フードシステムソリューション2014」に日産が?
それは、電気商用車が学校給食や病院給食の配送など市街地での近距離輸送にとても適しているから。
住宅街や学校施設、病院など、特に環境配慮が必要なところでも走行中にCO2を含めた排出ガスを全く出すことがなく、しかもとても静かだからです。
たとえば、学校給食配送をイメージしてみると......
給食センターを出発した電気トラックは住宅街を通り、各学校に給食を配送します。その距離はだいたい往復で50km以内。事前に運行計画をたて、決まったルートを通るので、電気自動車で懸念される航続距離も心配ありません。
走行中、CO2を含めた排出ガスを全く出さない電気トラックは地域住民や歩行者にやさしく、環境負荷を減らしますし、とても静かなので騒音が減り、子供たちの授業の妨げにもなりません。
ぴったりだと思いませんか?
他にも電気商用車にはさまざまなメリットがあります。
そのひとつがEVのバッテリーから電気を取り出すことはできないかという声をかたちにした給電機能、パワープラグ。
例えば工事業では、発電機を持ち運ぶことなくさまざまな電気機器を使用したり、災害などの非常時には電源としての機能を果たすことができます。
また体育館など避難時に拠点となりえる場所にパワーコントローラーを設置していれば、停電時に電気商用車のバッテリーとつなげることで電力を供給することができます。
さらに車両に搭載したコンセントからダイレクトにAC100V電力を供給することもできます。
普段はモノを運び、災害時は電源としても活躍する電気商用車。
こんなクルマが街中・学校を走っているのは子供たちへの環境教育としても生きた教材になるのではないでしょうか。
学校給食や病院給食配送に新たな価値をご提供する2台の電気商用車、「e-NV200」と「e-NT400」。これからも日産はこの2台をはじめとした電気商用車の開発に積極的に取り組んでまいります。どうぞご期待ください。